日光浴

昼下り、三成は城の近くの森の中を歩いていた。
意味などない。散歩というものでもない。今日は取り立てて用のない一日だが黙って城の中にいるのも落ち着かないからただなんとなく外出してみただけだ。
天気もいいことだし。
と思って三成は舌打ちをした。
いつも煩いあいつのようなことを思ってしまった、と。
実のところ、三成が外に出たのは家康は昼餉のあと散歩に出たらしいと小耳に挟んだからだ。
あれを探しているわけではない、ただ落ち着かないから外に出ただけだ。
そう言い聞かせて。
森といっても鬱蒼としているわけではなく、木々の間から適度に陽の光が降り注ぐ。
気温も心地よく、時々さわさわと葉が鳴る音が気持ちいい。
穏やかなものだ…三成はふと空を見上げて眩しい太陽に目を細めた。
あたたかいけれど、…違う。
自分が本当に求めているものは。

ふと開けているちょっとした広場のような場所の、中央に立つ一本の木の根本にそれを見つけた。
手頃に大きな木の幹を背にして随分と気持ちよさそうに寝ている。
三成はそれをじっと見つめ、昼餉をもりもりと食べていた姿を思い出す。
あんなに食べれば眠くもなるだろう…!
そう毒気づきながら、隣に腰をおろした。
軽く肩が触れるくらいの距離で。
そうすると、それは頭をこてんと三成の肩に乗せた。
つんつんと逆立ててはいるが意外に柔らかなその髪が三成の頬をくすぐる。
三成はそれが嫌いではなかった。
空を見上げて、高い陽の眩しさに眉を寄せた。
ああ、やはり。
空の陽よりも。
これの隣の方があたたかい。

この木漏れ日のような日々がずっと続くといい。
三成はひそやかにそう願いながら、隣の温もりに心が落ち着くのを感じて目を閉じた。